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2023年10月11日 更新 印刷用ページ印刷用ページを開く
臨床検査科

部門紹介

臨床検査は大きく分けて検体検査部門と生理検査部門にわかれ、患者さんから採取された検体や直接患者さんの身体から測定されたデータを臨床側に提供し、診療に貢献することが主な業務です。「迅速」「正確」「患者さんに優しい検査」をモットーに皆さんの健康を守るお手伝いをしています。部署は生理検査、中央処置室、臨床化学、免疫血清、血液・凝固、輸血、一般、微生物、病理・細胞診に分かれており業務内容については以下のようになっております。

     
部門  業務内容
中央処置室 採血管準備等
臨床化学検査 生化学分析(肝機能、腎機能、胆道機能、膵機能、血糖等)
免疫血清検査 感染症検査(肝炎、性感染症等)、腫瘍マーカー、内分泌学的検査等
血液検査 血球算定、血液像、骨髄液の検査、赤血球沈降速度等
凝固検査 凝固線溶、出血時間測定
輸血検査 血液型判定、交差試験、抗体同定、輸血用製剤の保管管理
貯血式自己血
尿一般検査 尿定性検査、尿沈渣測定、穿刺液検査、便検査等
微生物検査 一般細菌の検出、感受性検査、結核菌検査、迅速抗原検査
病理・細胞診検査 病理組織検査(術中迅速病理診断、遠隔術中迅速病理診断)、細胞診検査
生理検査 心電図検査、ホルター心電図検査、トレッドミル運動負荷試験、血圧脈波検査、呼吸機能検査
脳波検査、神経伝導検査、術中モニタリング、誘発電位検査、新生児聴力検査、超音波検査
聴力検査等
新型コロナ関連検査 抗原定量検査、RT-PCR検査、迅速PCR検査

中央処置室

中央処置室で採取した検体(血液、尿など)は地下1階の臨床検査室に運ばれ、直ちに検査が行われます。特殊な検査については外部の大きな検査センターへ検査を依頼します。

臨床化学検査

人の臓器は障害を受けると細胞が破壊され、その臓器特有の物質が血液や尿などにより流出されます。そのことから血液や尿の成分を調べることにより異常がないかを確かめます。採取した血液を遠心分離し血清成分(黄色い部分)と血球成分に分け、おもに血清成分を用いて自動分析器にて肝臓、膵臓、腎臓、胆嚢、心臓などそれぞれに関係の深いもの、また脂質・糖質などのような血液中の関連のあるものを検査します。


免疫血清検査

主としてウイルスなどの病原体に感染したときに体内で産生される抗体を利用して、感染の有無、治療効果などを判定します。また、感染症以外にも腫瘍マーカーや内分泌検査を行っています。


血液凝固検査

体の中を流れる血液中の白血球や赤血球・血色素、血小板などを自動分析装置にて測定し、血球数の増減や貧血の程度、血液疾患などを調べています。異常のある場合は顕微鏡で血液形態を観察し検査しています。また、血液が出血・血栓傾向があるかどうか調べる凝固検査では手術前の血液凝固機能や薬のモニタリングなどに役立てています。


輸血検査

血液型検査や交差適合試験などの輸血検査業務を担当しており、安全な輸血療法が実施できるよう支援しています。また、輸血用血液製剤の一元管理、適正輸血医療の推進、手術前貯血式自己血、輸血副作用調査等を行い、適正な輸血療法に向けて取り組んでいます。

一般検査

尿検査では主として尿中成分(蛋白質、糖など)の定性分析と尿中の細胞成分の分析を行っています。腎、尿路系の疾患を検出する事がおもな目的ですが、肝臓、心臓等の機能を知る事も出来ます。また、便検査では消化管などからの出血はないか、寄生虫がいないかなどを調べます。

微生物検査

風邪をひいて喉が腫れる、腹痛で下痢をしているなど患者さんの症状から細菌感染やウイルス感染が疑われる場合に病原細菌やウイルスの有無を検査します。
また検査材料及び院内で検出された病原微生物情報を一元管理し、ICT(病院感染対策チーム)と連携し、アウトブレイクの監視等、院内感染防止のために有用な情報をいち早く提供しています。



病理組織診・細胞診検査

内視鏡検査や手術などで採取された病変の一部、また、乳腺・甲状腺・痰など腫瘍が疑われる部位から採取された細胞を染色し、顕微鏡等で検査を行います。結果は的確な診断と治療に反映されます。また、手術中に一部の組織を採取し、組織を包埋剤という流動性のある物質に埋め込み、急速に凍結後、薄く切りスライドガラスに貼り付けて染色を行い、病理医が診断を行う術中迅速病理診断を行っています。術中迅速病理診断により、腫瘍が良性か悪性か、リンパ節に転移していないか、切除範囲を決定するための切除断端に病変がないかなどを確認し、この結果によって治療の範囲を決定したり、より適切な手術方法に変更することができます。また、山梨大学人体病理講座と連携しバーチャルスライドシステムを用いた遠隔術中迅速病理診断を行っています。これにより、さらに質の高い医療を提供する事が可能となりました。


生理検査

生理検査は直接患者さんの身体を対象として身体の状態や変化などを検査します。患者さんに協力していただきながら、より精度の高い検査を心がけています
心電図検査
心臓が活動する時に出る電気的な変化を記録するもので、不整脈や虚血性心疾患などの診断に役立ちます。
両手足と胸に電極をつけて記録します。検査に痛みはなく、短時間で終わります。

ホルター心電図検査
院内でのわずかな時間の心電図検査では夜間や睡眠時の心電図の記録ができない他、動悸や息切れ、胸痛などの症状発生時の心電図は記録できない場合があります。心電図を24時間連続記録できる携帯型心電計を装着していただき、日常生活中の心電図の変化を調べる検査です。
不整脈や虚血性心疾患の診断などに役立ちます。
※携帯型心電計を装着している間は入浴・シャワーはできませんが、それ以外の制限はありません。普段通りお過ごしください。
※携帯型心電計の取り外しのために翌日ご来院していただきます。また、一日の行動記録表を記入していただきます。  

トレッドミル運動負荷試験
運動中の心電図や血圧の変化を調べる検査です。虚血性心疾患の有無などを調べます。
心電図や血圧を測定しながら、ベルトコンベアの上を歩いていただきます。

血圧脈波検査(ABI)
足の血管の硬さや動脈のつまり具合を調べる検査です。
両手両足の血圧を同時に測定していきます。

呼吸機能検査
肺のふくらんだ時の大きさ(肺活量)や空気の通り道(気道)の状態を調べる検査です。
※息を大きく吸ったり吐いたりしますので患者さんのご協力が大変重要です。

脳波検査
脳は常に脳神経から小さな電気を発生させて活動しています。この活動の様子を頭皮からとらえて記録したものが脳波です。
※検査時間は60分程度です。
※検査前日はなるべく洗髪をして、整髪剤をつけないでおこし下さい。(油や垢があると記録が難しくなります。)
※検査中は目を閉じて安静にしていなくてはならないので、乳幼児の場合には眠らせる必要があります。早めに来院し検査の時間帯に眠たくなるようご協力をお願いします。また、小児・成人であっても睡眠脳波は大切です。前夜は過眠にならないよう、少々寝不足気味にしておいで下さい。

神経伝導検査
◎神経伝導検査(NCS)
末梢の神経を皮膚上で電気刺激し、神経が興奮するときの反応や伝わる速さを調べます。運動神経と感覚神経を検査します。末梢神経障害の有無や病変の部位などを調べ、診断と治療に役立てられます。
※皮膚の上から神経を電気刺激しますので、それに反応し筋肉がピクピクと動いたり、多少の痛みを伴います。
その他、反復刺激試験(RNST)・顔面神経伝導検査(ENoG)などを行っています。


誘発電位検査
◎聴性脳幹反応(ABR)
音の刺激を繰り返し行うとその刺激に応じた波形が脳波の中に混じって出てきます。これを調べることで難聴や脳幹障害の診断に役立ちます。
※検査時間は60分程度です。
※検査前日はなるべく洗髪をして、整髪剤をつけないでおこし下さい。(油や垢があると記録が難しくなります。)
※検査中は目を閉じて安静にしていなくてはならないので、乳幼児の場合には眠らせる必要があります。早めに来院し検査の時間帯に眠たくなるようご協力をお願いします。
その他、体性感覚誘発電位(SEP)・視覚誘発電位(VEP)などを行っています。

新生児聴覚検査
新生児の聴覚スクリーニング検査です。
聴覚障害を早期に発見し、適切な時期に治療を開始することができます。

超音波検査(エコー検査)
検査部位に超音波を当て、ゼリーをつけながら体の中の様子を観察します。痛みはほとんどありません。また被爆の心配がなく、妊娠中でも検査を受けることができます。

◎心臓エコー
体表から心臓の大きさや動き、血液の流れなどを検査します。

◎腹部エコー
腹部臓器(肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・腎臓)を検査します。
※原則として午前の検査は起床より禁飲食でご来院ください。午後の検査は朝食を午前8時頃までに軽くとり以後は禁飲食でご来院ください。(インシュリン治療中の方はあらかじめ主治医より当日の指示を受けて下さい。)
※腹部を検査しますので腹部が露出しやすい服装でご来院ください。

◎甲状腺エコー
甲状腺を中心に検査します。甲状腺の大きさや腫瘍の有無などを検査します。
※首及び首の周囲を検査しますので首が露出しやすい服装でご来院ください。

◎乳腺エコー
乳房を中心に検査します。主に乳腺内の腫瘍の有無などを検査します。特に乳腺密度の高い若い方や妊娠中の方の検査に適しています。


◎血管エコー
主に血管に血栓が無いか、またその血栓により血管が狭くなっていたり詰まっていないかを検査します。
・頚動脈エコー
 首の血管を検査します。
 ※首及び首の周囲を検査しますので首が露出しやすい服装でご来院ください。
・上肢血管エコー
 腕の血管を検査します。透析に必要なシャントを評価します。
・下肢血管エコー
 足の血管を検査します。下肢動脈に狭窄がないか、深部静脈血栓や静脈瘤の有無などを検査します。
・腹部血管エコー
 腹部血管(腹部大動脈・腎動脈など)を検査します。
 ※原則として午前の検査は起床より禁飲食でご来院ください。午後の検査は朝食を午前8時頃までに軽くとり以後は禁飲食でご来院ください。(インシュリン治療中の方はあらかじめ主治医より当日の指示を受けて下さい。)

◎関節エコー
手指を中心に検査します。主にリウマチ患者さんに行います。手指の関節に炎症がないか、水が溜まっていないかなどを検査します。

聴力検査
耳の聞こえに関係する機能を検査します。
聴力検査専用の部屋で検査します。
※精度の良い検査のするためには患者さんのご理解とご協力が大変重要です。

◎純音聴力検査
様々な音を聞いていただき、どの程度の小さな音が聞こえるかの検査です。

◎インピーダンス検査
鼓膜の状態をみる検査と顔面神経の様子を調べる検査があります。

その他、語音聴力検査・耳音響放射検査(SR)などを行なっています。

学会認定資格者数

緊急臨床検査士   3人
2級臨床検査士(微生物・血液・免疫・病理)   4人
認定輸血検査技師   1人
認定血液検査技師   1人
細胞検査士   1人
肝コーディネーター   1人
特定科学物質・四ア・有機溶剤作業主任者   1人
超音波検査士(消化器)   2人
超音波検査士(循環器)   2人
超音波検査士(健診)   1人
超音波検査士(体表臓器)   1人
血管診療技師   1人
聴力検査士   1人
JHRS認定心電図専門士   1人

令和5年10月10日現在

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