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2021年7月1日 更新 印刷用ページ印刷用ページを開く
臨床工学科

部門紹介

臨床工学技士とは?
臨床工学技士(Clinical Engineer)の歴史は浅く国家資格になったのは1988年のことです。
以降、増加する患者さんに対して透析を提供するエキスパートかつ治療に使用する機器のメンテナンスなどを主な業務としてきましたが、近年では医療機器の発展に伴って臨床工学技士の業務内容も多様化してます。


臨床工学技士の仕事とは?
臨床工学技士は『生命維持管理装置』や『患者監視装置』の操作のほか、病院内の様々な医療機器の点検や修理などの業務を行う医療技術者です。
『生命維持管理装置』の代表的なものとして以下のようなものがあげられます。 腎臓の機能が低下した時に腎臓の働きを代行する『人工透析装置』、呼吸状態が悪くなり、自分で充分な酸素を体に送り込めない時に呼吸の代行をする『人工呼吸器』、心筋梗塞で心臓の働きが弱くなり、心臓の力だけでは全身や冠動脈に充分な血液を送れない時に手助けをする『IABP』(大動脈内バルーンパンピング)や『PCPS』(経皮的心肺補助法)、心臓の手術の時に心臓と肺の働きを代行する『人工心肺装置』などです。
また、『患者監視装置』の代表的なものとしては心電図や血圧、酸素飽和度などを24時間記録することの出来る『ベッドサイドモニター』があります。
病院内には先に挙げたもの以外にも様々な医療機器があり、これらが安全に患者さんに使ってもらえるよう、管理・点検・修理なども行います。

 

当院における業務紹介 

  • 血液浄化業務
    当院の血液浄化センターでは、様々な血液浄化療法を行っています。その中で最も多い治療は人工透析です。 人工透析とは腎臓の機能が低下してきたときに必要となり
    ①血液から腎臓で排泄されるはずの物質を取り除くこと
    ②体に必要な物質を血液中に補充すること
    ③増加した血中水分を除去すること
    などを目的とした治療です。
    治療に伴い多量の血液を体外へ導き出し、体内へ返すためシャントと呼ばれる血管を造設します。
    シャントは透析を行う患者さんにとって非常に重要でありながらトラブルが起きやすいため、小さな変化にいち早く気づき対応していくことが求められます。
    当院では穿刺時にシャント状態を確認し定期的にスコアをつけ週1回のシャントカンファレンスで情報共有しています。また、シャントエコーを使用し形状評価、FV・RIなどの数値評価をもとに心臓血管外科への迅速なコンサルトにつなげています。また、穿刺困難なシャントに対してエコーガイド下穿刺を積極的に取り入れ、患者さんの精神的・身体的な苦痛を軽減できるよう 努めています。
    その他透析液作製時に必要な水道水の水質及び作製した透析液の管理、透析装置の定期的なメンテナンスを通し、故障・トラブルを未然に防ぐことも業務のひとつです。
    透析中は、患者さんの状態及び透析機器の運転状況を確認しています。また、月2度の採血結果から透析条件を見直しカンファレンスで医師・看護師へ透析条件の変更を提案することで患者さん一人一人に合った透析を提供できるよう努めています。
    当院の外来透析ベッドは33床、使用している治療機器台数は透析用監視装置32台、個人用透析装置3台、個人用RO精製水製造装置2台、持続緩徐式血液濾過装置1台、血液吸着装置1台です。
    また、特殊な血液浄化療法として血漿交換療法(PE)・血漿吸着療法(PA)・血液吸着療法(HA、DHP)・二重膜濾過血漿交換療法(DFPP)・白血球除去療法(L-CAP)顆粒球除去療法(G-CAP)胸水・腹水再濃縮濾過静注療法(CART)・持続緩徐式血液濾過透析(CHDF・CHF)などにも対応しております。
  • 臨床工学科紹介
    臨床工学科紹介

  • 人工呼吸器業務
    人工呼吸器と聞いてまず思い浮かぶのは気管挿管を伴う人工呼吸器ではないでしょうか。当院では、そのような気管挿管を伴う人工呼吸器をはじめ、心不全患者さんの在宅用人工呼吸器(ASV)慢性閉塞性肺障害(COPD)の患者さんが使用するマスク型人工呼吸器(NPPV)まで様々な人工呼吸器を取り扱っています。現在使用している人工呼吸器はBennett980 1台 SERVO-air 2台 HAMILTON C1 6台 AutoSV 5台 V60 2台となっております。
    その他在宅療法(ASV,CPAP,HOT)の導入指導を行い、ご家族、医師、看護師と業者との連携の中で患者さんにとって最適な治療条件、最良な治療環境の提供を目指しています。今後はネットワークシステムを導入し災害時の患者さんの状況の把握等も行っていく予定です。
    人工呼吸療法が常に安心安全に行われるよう各機器の保守点検も行っています。呼吸ケアサポートチーム(RST)の一員として人工呼吸器導入となった患者さんの日々変化する各種データをもとに呼吸器内科医に設定変更を提案し、最適な治療提供ができるよう心がけています。
  • 臨床工学科紹介

  • 心臓カテーテル業務
    狭心症や心筋梗塞を起こした患者さんに対して循環器内科医が行うカテーテル治療の現場にて心電図や心臓内の圧データを管理・記録するポリグラフ装置の操作、OFDIという近赤外光を使用した冠動脈内の画像解析装置の操作、体外式ペースメーカーの操作をしています。心負荷を軽減させ、冠動脈血流量を増大させる大動脈内バルーンパンピング(IABP)操作も行います。
    冠動脈の狭窄評価として医師の目視評価だけでなく冠動脈内の圧を用いて血流の阻害を評価するFFRという検査も行っています。
  • 臨床工学科紹介

  • 手術室業務
    麻酔器の点検とトラブル対応を行っています。
    また、手術室ではダ・ヴィンチという手術支援ロボットが新規導入されました。ダ・ヴィンチを使用して手術を行う事によって手術時間の短縮、出血量の減少、入院日数の短縮、合併症リスクの低減、正確かつ精機な手術の実施が期待され、患者さんの手術負担が軽減される医療機器です。臨床工学技士も立ち上げの段階からチームの一員として参加しています。ダ・ヴィンチ業務では装置のセットアップ、トラブル対応を主な業務として関わっています。
  • 臨床工学科紹介

  • ME機器業務
    除細動器・AED、輸液ポンプ・シリンジポンプ、ベッドサイドモニター・心電図送信機などのME機器といわれる医療機器の日常点検を行っています。また、医療事故を防ぐため職員を対象とした機器の勉強会も行います。使用時には設定変更や使用方法の提案などを行い適切・適正な方法で使用できるよう努めています。

  • 院内活動
    幹部会議 経営企画会議 診療材料委員会 災害対策委員会 医療機器購入選定委員会 システム運営委員会 医療ガス委員会 サービス向上委員会 労働安全委員会 ICU運営委員会 クリニカルパス委員会 RST(呼吸サポートチーム) 医療事故防止部会 感染対策推進部会 医療機器安全管理部会 透析機器安全対策部会

    院外活動
    山梨県臨床工学技士会 理事
    山梨県呼吸ケアリハビリテーション研究会
    CEHCC
    山梨県コメディカル不整脈治療研究会

    スタッフ紹介
    当院の臨床工学科は、臨床工学技士7人という構成になっています。
    我々は、日常の業務を行いながらも、技術・知識の向上を目指し、様々な勉強に励んでいます。

    専門認定資格取得状況
    透析技術認定士 4名
    3学会合同呼吸療法認定士 4名
    ITE(心血管インターベンション技師) 2名
    臨床ME専門認定士 1名
    呼吸治療専門臨床工学技士 1名

    掲載内容に関するお問い合わせはこちら
    臨床工学科
    住所:403-0032 山梨県富士吉田市上吉田東七丁目11番1号
    TEL:0555-22-4111
    FAX:0555-22-6995